吉澤ひとみ著「私が抱いた女」

kaosama2006-08-07

吉澤ひとみ著「私が抱いた女」
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1135072157/

44 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2005/12/20(火) 19:53:01 0

まえがき

私は泣いたことがない。
それは嘘だ。
しかしここに告白したことはすべて本当のことだ。

あのとき私たちは若かった。
世界は輝きに満ちて、私たちの背中には羽根が生えていた。

信じなくてもいい。
ただ私の戯言を黙って聞いてくれれば、それでいい。

                        吉澤ひとみ
313 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 16:30:39 0
■目次
まえがき 【済>>44】
1 藤本美貴 【済>>89>>107】
2 後藤真希 【済>>133>>146】
3 里田まい・アヤカ 【済>>166>>199】
4 矢口真里 【途中>>267】
5 紺野あさ美
6 高橋愛 【済>>211>>273-275】

314 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 16:31:11 0
7 亀井絵里 【済>>171>>184>>224>>241】
8 道重さゆみ
9 田中れいな
10 久住小春 【途中>>141】
11 安倍なつみ
12 飯田圭織中澤裕子
13 みうな 【済>>112>>121】
14 岡田唯
15 三好絵梨香
16 柴田あゆみ 【済>>105>>159-160】
17 石川梨華
あとがき

314 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 16:31:11 0
7 亀井絵里 【済>>171>>184>>224>>241】
8 道重さゆみ
9 田中れいな
10 久住小春 【途中>>141】
11 安倍なつみ
12 飯田圭織中澤裕子
13 みうな 【済>>112>>121】
14 岡田唯
15 三好絵梨香
16 柴田あゆみ 【済>>105>>159-160】
17 石川梨華
あとがき

第一章 藤本美貴

89 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 04:04:06 0

彼女は一見甘え上手に見えるかもしれない、だけど本当に弱っている時には決して甘えたりしない。
むしろ誰にも弱い自分を見せまいと強く強くあろうとする。私はそんな彼女をただ見ていた。
無闇に手を差し出すわけにはいかない、一度拒絶されれば二度と機会は巡って来ない。
美貴はそういう女だった。


初めて美貴を抱いたのは、そう飯田さんが卒業する少し前頃だったと思う。
辻加護が卒業した後くらいから美貴の様子が明らかに変わってきたんだ。
何も見ていない見えてないみたいな感じになる事が多くなって、妙にはしゃいでるかと思えば黙り込んだり。
収録中でも構わず私に触れてきたりしてさ。
それまでも触れて来る事はあったんだけど、違ってたんだよね。なんか感じが。
前は独占ていうのかな?自分のとこへ引き寄せるような感じだったんだけど、それが変わったんだ。
まるで縋ってるみたいな、触れてないと倒れてしまいそうな感じ。
美貴に何かあったのは分かったけど、しばらくは何もせずに杖役をやってた。
訊いたからって素直に話してくれるとも思えないし、美貴なら自分で乗り越えられるだろうと思ってたから。

ツアー中のホテルで突然にその瞬間は訪れたんだ。
いつもみたいにまいちん(里田まい)の部屋に行ってたんだけど、眠たくなって自分の部屋に帰るつもりで
廊下を歩いてたら、美貴がいた。何をするでもなく、ただそこにいるだけ。
なんとなく杖が必要なんじゃないかと思えて、側に寄って行くと顔を上げた美貴と目が合って――――
不思議な感覚で逸らせないんだよね、むしろ引き込まれるような感覚。
どんどん近づいて行くあいだもずっと見つめあったままでさ、気が付いたらキスしてた。


107 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 16:42:27 0
>>89から

軽く触れるだけのキス。小さな子供がするような。
何にも言わずにそんなキスし続けながら美貴の部屋に入って、ようやく舌を入れる事が出来た。
場所はどこでも良かったんだよ。私の部屋でも、汚い物置部屋でも。
ただ誰にも見られず安心して抱き合えるとこなら。一番近いのが彼女の部屋だった、それだけ。
抱き合ってキスしてても足りない、もっと体全部で触れたい。そう思ったら自然と服を脱いでた。
こういう場合は相手の服を脱がせていくのが常なんだけど、この時だけは違ってさ。
美貴も理解したのか自分で脱いでくれて嬉しかったな、同じように感じてくれたんだなって。
お互いに最後まで脱ぎ終わると突然彼女が飛びついてきた。飛び乗ったの方が正しいかな?
まるでコアラみたいに抱きついて来たんだ。一瞬驚いたけど、それもすぐ喜びに変わったよ。
だって彼女の全てに触れていられたんだから。

そのままベッドに行って、朝まで眠らずに美貴を抱いていた。
してる間も言葉らしい言葉は何も話さなかった思う。
時々美貴の声が漏れていたし、私の荒くなった呼吸もやけに大きく聞こえてたはず。
なによりも美貴の体と私の体が溶け合う音が響いてて。
あの時の私たちには言葉は要らなかったんだよ、体だけが必要でさ。
それからも何度か抱いた、いや違うかも。
私は美貴を抱きしめたかったんだ。

当時彼女に何があったのか何を考えていたのか、未だにそれは分からない。
これを読んでくれてる人たちは余計に分からないかもしれない。
ただあの瞬間、目が合った瞬間。美貴は私を求めてくれた、私も美貴を求めた。
これだけは確かだと言い切れる。

私は「藤本美貴」であろうとする彼女の強くて儚い瞬間を決して忘れない。
求められるなら喜んで杖になる。全力で支えるよ。
両手を広げて待ってる、貴女が望む限りいつまでも。
だからいつの日か言葉にして欲しい。

『そっと口づけて ギュッと抱きしめて』

第二章 後藤真希

133 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 19:09:07 0

親友と言ってくれた。運命だとも言ってくれた。
確かに出会ってしまったのは運命かもしれない。
だけどね、私たちは親友になんてなれないんだよ。ごっちん。


どこか周囲を突き放すような雰囲気を持ってる人。
それがテレビで初めて見た、後藤真希の印象だったんだ。
でもモーニングに入って、徐々に話すようになれば自然と間違ってると分かってさ。
全然違うんだよ。可愛いのは当たり前で、優しくて、みんなの事を凄く大切に思ってくれてる。
ただそれを表す方法が分からないだけ。
私も同じ、分かっていなくて、ごっちんを傷つけてしまった。

まだごっちんがモーニングにいた頃、私たちはいつでも一緒で、誰よりも仲が良かった。
コンサートが終われば必ずどちらかの部屋で眠るのが習慣になってしまうくらい。
無邪気だったんだよね、シャワーの後2人とも裸のまま寝ちゃったりしてさ。

ちょうどウィアラ(そうだ!We’re ALIVE)が出たツアーの最中、聞かされたんだ。
次のツアーでごっちんが卒業するって。
ホテルのごっちんの部屋でいつもみたいにふざけ合ってたのに、急に言われたんだよ。
まるで何でもないみたいに言うんだよ。
可愛かったごっちんが、綺麗な後藤真希に変わろうとしていたのを感じてた。
無意識だったのかもしれないけど、自分も変わらなければと思ってたんだろうね。
でもそれはやっぱり負担でしかなくて、私は限界に来てたみたい。

防波堤はもう耐えられなくて、壊れてしまった。
抑えきれなくなった波はごっちんに向かってしまったんだ。

146 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 22:17:38 0
>>133から


夢中になって彼女を抱いた。
抵抗するごっちんを押さえ付けて無理矢理に体中を攻め続けた、壊してしまいそうなほど。
ようやく近づけたと思ったのに、離れるなんて酷いって考えちゃったんだよね。
今になってみればバカな考えなんだけど、あの頃はもう訳分かんなくなってたから。
ごっちんは段々と抵抗しなくなって、その内に謝り始めてさ。

ごめんね、よしこ。よしこ、ごめんね――――

泣いてたよ。ごっちんは泣きながら謝ってた。なんにも悪くないのに。
そんで言ってくれたんだ、終わった後にさ。
大好きだよ、友達だよ。て何度も何度も。

それからもごっちんは変わらずに接してくれたんだけど、私には無理だった。
自分の気持ちに気付いてしまったから。
友情なんかじゃなくて愛情だったんだよ、私はごっちんに恋してた。
そんな自分の気持ちも分からずに彼女にぶつけて、傷つけて。
自分で自分が許せなくて、私は更に壊れていく事しか出来なかったんだよ。

ごっちんを抱いたのは後にも先にも、あれ一度きり。
時々思い出すんだ、泣いてるごっちんの顔と声。まだ心のどっかに燻ってる思い。
親友だと言ってくれたごっちん。だけどね私には無理なんだ、だから

さよなら、友達になんてなりたくないんだ。

第三章 里田まい・アヤカ

166 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/23(金) 03:50:06 0

2人には感謝してる。いつも側にいてくれてありがとう。
どちらが欠けても駄目なんだ、バランスが大事だから。
平衡を保つには里田まい・アヤカというおもりが絶対に必要なんだ。


先に抱いたのはまいちん。拍子抜けするくらいあっさりしたものだったよ。
私がまだ沈んだ状態だった時で、ほっとけなかったんだってさ。
そんでつい抱きしめちゃったらしい。まあつい乗っちゃう私も問題アリなんだろうけど。
忠臣蔵っていうミュージカルやってて、公演の合間は楽屋にいるもんなのさ普通は。
でもモーニングの楽屋は色々と煩わしく感じてた時期だったから、よくまいちんたちのとこへ非難してた。

その日もなんだか1人になりたくて終演後もまいちんたちの楽屋へ行ったんだ。
予想通り誰もいなかったから、隅の方に座り込んでぼうとしてたら急に扉が開いたわけ。
まいちんが忘れ物を取りに来たのね。んで暗闇の中にいる私を発見しちゃったもんだから。

抱きしめられても、なんか妙に安心したっていうか落ち着いたような感じ。
興奮してドキドキするとか全く無くって、ホント申し訳ないくらい冷静になれた。
だからまいちんにキスされても余裕で答えてたし、どういう手順で服脱がせていくかまで考えてさ。
彼女としてるとね達成感ていうのかな?そんなのを感じられるんだよ。よっしゃクリアーみたいな。
まいちんには、意地とか見栄とかそういうのを取り払う力があると思う。
裸のまま向き合える人、だからいつでもガチンコ勝負。
一緒にいると凄く楽しいんだ。

199 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/23(金) 23:24:50 0
>>166から


アヤカはね、まいちんとは逆で彼女の前では格好つけていたい人。
頼って欲しいし、守ってあげたくなる。
ずっと私を見てて貰いたいというか、独占したくなっちゃうんだよ。

元々かなり気になる存在だったんだよねアヤカは。
帰国子女で英語も話せて大学にも行って、格好良く見えてた。
ところがびっくり実は天然で全然しっかりもしてなくて甘えたで。
またそこが可愛くて仕方ないんだけどね。

そういう関係になるきっかけは、友達として付き合いが始まってしばらく経ったころだったかな?
アヤカが風邪をひいて寝込んでしまった事があってさ。
彼女は1人暮らしで家族とも離れてたから私が看病したんだ。まいちんは仕事で東京にいなかったし。
夜中には熱も大分下がってきて、話せるくらいにまで回復したら、汗かいて気持ち悪いと言い出してさ。
まだお風呂入るには早いと思ったから、タオルで拭いてあげる事にしたんだ。テレビでよくやってるみたいに。
恥ずかしい話、アヤカの体見て興奮しちゃったんだよね。熱のせいか体温高くてドキドキした。
それでも相手は病人なわけだし友達だし我慢してたんだよ。だけど、あの目を見たらもう堪らなくて。
不安そうに見上げてくる潤んだ瞳。
思わず、抱きたいって声にだしてしまった。そしたら、いいよって言われて。

もうね自分で嫌になるよ、病気で弱ってる人になにしてるんだよ。
おかげで風邪もきっちり長引いて、私って馬鹿過ぎる。
だけど良かった事もあるんだ。アヤカはそれ以前よりも、もっと頼ってくれるようになった。
ある事が起きて彼女が沈んでた時は1人でいられなくて、私の家に長い間泊まるなんてことも。

頼られる自分である為に、守ってあげられるように、精一杯格好つけたいから頑張るんだ。
アヤカは私に力をくれる。

第四章 矢口真里

267 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/26(月) 01:24:00 0

ずっと近くにいたけれど、ずっと遠くに感じてた。
初めて会ったその日からいつも貴女を見ていたんです。気付いてましたか?
貴女に私は見えていましたか?ねぇ矢口さん――――


何から話せばいいんだろう、話したい事が多すぎるんだよね。
私と矢口さんの関係、みんなにはどう見えてた?
みんなが思い描く中に正解は多分無いんじゃないかな。だって私にも分からないんだから。
知ってると思うけど、彼女は私の教育係で他の先輩たちよりも早い段階で話せるようになった人。
だから仲が良いかと言われれば違うと思う。かと言って悪いわけでもないよ。

初対面の時さ、自己紹介したら凄い笑われたんだ。
なんで笑われたのか分からないし、あんまり気分の良いことではなくて。
今思えば、あの時にはもう距離が出来てしまっていたんだろうね。

他の人と違う反応されると気になるもので、いつも気が付くと矢口さんを目で追ってた。
いつでも元気に笑顔で楽しそうに話してる矢口さん、それだけなんだ。
どんなに忙しくても、辛そうにしてたり苦しそうだったり、そんな姿見たことなかった。
ちょっと違うかな、弱ってるとこなんて絶対見せようとはしなかったよね。
人一倍頑張り屋で、意地っぱりだからさ。
だけど、よしざーには分かっちゃうんですよ矢口さん。ずっと見てたんですから。
きっと後輩の私には言い難いだろうから、圭ちゃん(保田圭)に話して貰うよう頼んだりしてたんですよ。

あの頃までは。

322 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/27(火) 19:45:17 0
>>267から


安倍さんの卒業あたりだったかな、なんだか様子がおかしいように感じたのは。
それでも安倍さんがいなくなることでモーニングが大きく変わる時期だったし、ハロー全体が異常な雰囲気だったから。
あまり気に留めていなかったんだ。
そのあと立て続けに卒業が発表されて、その度ごとに何かが違っていってたのも確かで。

矢口さんがそんな状況の中で何を感じていたのか、私には分からない。
どこを向いてるのか何が見えてるのか、矢口さんがどんどん見えなくなっていくのが凄く怖かった。
それでもなんとか側にいたくて、こっちを見て欲しくて頑張ったんだよ。今まで以上にさ。
少しでも負担が減るように、不安が消えるようにって。

だけどダメだったみたい。
石川の卒業ツアーの最中に、矢口さんが宿泊先のホテルで突然私の部屋を訪ねて来たんだ。
そんで、抱いて欲しいって言われた。何を言い出すんだと思って最初は断ったんだけど。
よっすぃ〜頼むよ、お願いだから――――思い詰めた様子で話す矢口さんを見て覚悟決めた。
自分に出来ることを精一杯、そうすることで矢口さんの気持ちが楽になれるのなら。

たくさんの想いを込めて抱いた。これ以上は無理ってくらい優しく、包み込むように。
何があっても支えるから、安心して身を任せて、もっと力を抜いて、泣かないで、全部守ってみせるから。

翌日、ライブが終わると矢口さんは彼の元へ向かった。
そして、そのまま私たちの側からいなくなってしまった。
誰にも何にも言わず1人で決めてしまって、誰も見たことのない場所へ飛び立ってしまうなんて。
人一倍頑張り屋で、意地っ張りな、矢口さんらしいよ。

あのとき言ってくれましたよね。
――大きくなったね、大人になったね、もっともっと成長していくよっすぃ〜が見たいよ―――

矢口さん見ててくれてますか?
あなたに教えられた笑顔で、あなたの愛したモーニング娘。として走り続ける私を。

第六章 高橋愛

211 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/24(土) 08:37:10 O
高橋は頑張り屋さんだと思う。そして負けず嫌いだ。でも遠慮ってものも知ってる。
結構スゲーやつだとあたしは思う。

だからこそ弱さを垣間見てしまった時あたしはあんなことをしてしまったんだろう。

でもあの時は本当にどうしようもなかったんだ。理性なんて言葉が存在しないかのようにあたしは…




高橋を抱いていたんだ

273 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/26(月) 05:54:00 O
いつものダンススタジオ…その日も高橋は一人遅くまで残ってた。どーしてもひっかかる箇所があるらしくてそこを一生懸命練習してたらしい。

あたしはそんな高橋が気になってもう一度ダンススタジオに足を運んだ。

「高橋ー」

一声掛けてスタジオのドアを開ける。床の上に座ってる高橋が居て近づこうとしたとき高橋の様子がおかしいことに気付いた。

「高橋…?」

「よしざーさっ!?」

目を見開いて普段以上に驚いた顔だ。どうやらさっき掛けた声は聞こえてなかったらしい。

「どーした?」

あたしの問い掛けに高橋は慌てて涙を拭いながら首をぶんぶん横に振ることで答えた。
どーしたのかなんて本当は聞かなくても解るんだ…あたしもそうだったし。出来ない自分が嫌で悔しくて情けなくて…。
でもあたしは話してほしかったんだ。話して少しでも楽になってほしい一人で抱えるのは辛いことをよく知ってるから。
でも高橋は『大丈夫です』と…きゅっと唇を結んで言うんだ。

274 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/26(月) 05:55:38 O
すいません忘れてましたが>211の続きです

「大丈夫です、ありがとうございます」

ほら…その笑顔無理してんのバレバレなんだよ?
あたしは先輩なんだし年上で…頼って欲しいのに。高橋はその強さであたしから離れて行くんだ。

あたしから離れて帰り支度を始める高橋。少しすると高橋の動きが止まる。タオルで顔を拭う高橋。
泣いてるんだ…きっとあたしには見られたくない涙。それでも溢れだしてくる涙。

「………」

あたしは何も言わずに後ろから高橋を抱き締めた。強く強く抱き締めた。小さく肩を震わせる高橋がすごく弱く感じた。

「よしざーさん、ありがとうございますっもう大丈夫ですからっ…」

震える声で言ったって説得力無いんだよ…抱き締める手を緩め高橋をあたしの方に向かせるとそっと高橋の唇に自分のを重ねた。

「っ!?」

高橋は一瞬びっくりしてたみたいだったけどぎゅっとあたしにしがみついて来た。その瞬間おそらくあたしの頭の中では理性が崩れていく音が響いてたに違いない。

275 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/26(月) 05:56:26 O
あたしはそのまま高橋を壁に押しつけて今度は深いキスをした。高橋も今度は驚いたりしなかった。きっと高橋もあたしの何かを感じたんだろう。
そしてあたしはそのまま高橋を抱いたんだ。

いっぱいいっぱい抱き締めて優しく時に激しく…あたしの全てで高橋を抱いた。

そしてそれから少しづつ高橋は変わっていったと思う。全てを一人で背負わなくなった。それでもきっとそれはほんの一部なんだろうと思う。
それでも今までとは全然違うんだ。
高橋とはあの時以来なんの関係もない。次の日も普通に接してくれたしそれからも仲良くやってる。
今では六期の頼れるお姉さんであたしもスッゲー頼りにしてる。
そしてこれからも一緒に頑張って行きたいと思ってる。



高橋 愛―
      〜終了〜

第七章 亀井絵里

171 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2005/12/23(金) 09:47:31 O
第六期メンバーとして娘。に入ってきた、その子。初めて見たときは、長い黒髪で、清楚で頭が良さそう………なイメージを持った。
だが、すぐそのイメージは崩れ落ちた。
驚く程のアホッぷりで、笑い方はウヘヘヘへ。意味不明な言葉を連発する不思議ちゃん。

だが、そのギャップが何故か愛しく感じた。しかし、その愛しさは、後輩に感じるものとは明らかに違った。
普通後輩には“これからは大変だろうけど頑張って”とか“ビシビシ指導してあげるから”みたいな、温かさと情熱という意味の『愛しさ』を感じるはず。

だけど私が感じたのは、“何もかも、奪ってしまいたい”という、何処か歪んだものだった。

184 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2005/12/23(金) 17:36:08 O
>>171続き

入ってきたばかりの頃は、同期の道重さゆみといつも一緒にいた。その様子から、彼女の人見しりな所や内向的な性格が見てとれ、この子は弱い子なんだ、そう思っていた。
しかし、彼女のある一面を見た時、それは間違いだと気付くと共に、胸がズシンと揺れ動いた。

その一面とは、歌う時の表情。真っ直ぐな強い瞳で歌うその姿を見た時は、“コイツ、誰だ?”と思ったほど、いつものそれとは大違いだった。

そしてまた、“奪いたい”という思いは段々強くなっていった。

224 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2005/12/24(土) 18:10:11 O
>>184の続き

亀井絵里の全てを“奪った”のはそれからあまりたってない頃だった。まだはっきりと覚えている。

ホテルの一室。ツアーで疲れた体を休ませていた時。彼女が部屋にやってきた。自然に、二人でベッドの上で座りながら、雑談へ。すると、彼女は私の肩の上に頭を預けてきた。
普通に先輩後輩のじゃれあい。向こうはそう思っていただろう。しかし、こっちはそうはいかない。気付けば、“理性”という名の糸がプチッと切れていた。

ぐいっと抱きついてきた彼女の顔を持ち上げ、口付けた。優しく、撫でるように。彼女に否定の意は無いのか、体を離したりはしてこなかった。
そのまま空いた唇の間から舌を割り込ませ、さっきとは反対に、強引に、獣のように絡ませた。

224 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2005/12/24(土) 18:10:11 O
>>184の続き

亀井絵里の全てを“奪った”のはそれからあまりたってない頃だった。まだはっきりと覚えている。

ホテルの一室。ツアーで疲れた体を休ませていた時。彼女が部屋にやってきた。自然に、二人でベッドの上で座りながら、雑談へ。すると、彼女は私の肩の上に頭を預けてきた。
普通に先輩後輩のじゃれあい。向こうはそう思っていただろう。しかし、こっちはそうはいかない。気付けば、“理性”という名の糸がプチッと切れていた。

ぐいっと抱きついてきた彼女の顔を持ち上げ、口付けた。優しく、撫でるように。彼女に否定の意は無いのか、体を離したりはしてこなかった。
そのまま空いた唇の間から舌を割り込ませ、さっきとは反対に、強引に、獣のように絡ませた。

241 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2005/12/25(日) 08:51:31 O
>>224続き

そのままベッドに押し倒し、彼女を生まれたままの姿にした。そして流れるように愛撫してゆく。
彼女を独り占めしているという満足感と、まだ子供の体を汚しているという罪悪感とに蝕まれながらただ、欲望のままに。彼女を愛した。

その後も、彼女は普通に私に接してきた。特別にして、という女特有の束縛もなかったし、その行為も一度きりで、体の関係だけでダラダラって事もなかった。

だが、ただ一つ変わったものがある。それは、瞳。
真っ直ぐで強かった瞳に、うっすらと光が宿った気がする。

きっと私は、ひたすら前へ向かう彼女の背中を後押し出来たんだろう。ならば、自分の行いに自信を持っていいのかもしれない。

終わり。

第十章 久住小春

141 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2005/12/22(木) 21:04:06 0
>>1
10 久住小春

オーディションを見ていた頃は
「自分のことを好きって言ってくれて嬉しいなー」とか「きれいな子だなー」
としか思っていなかった。それ以前に「子供だな。」と。
自分は20歳。小春は13歳。「なんだか自分も中沢さんみたいだな 笑」とか。気楽に考えていた。

彼女と初めて合流したダンスレッスン。正直言って小春は全然だめだった。私達の踊りはグループダンスだから
一人でも出来ない人がいたり、位置を間違えたりするだけで全員に迷惑がかかる。
何度失敗してもなんだか目の奥が笑っているような小春を見て、私は一番したくなかったことをしなければならない
と思った。

「本当にやばいなって思ってる?」

彼女の目をまっすぐ見て怒ったつもりだった。しかし。
(なんてきれいな顔してるんだろう・・)
彼女の大きくてかわいらしい目に吸い込まれそうになる自分がいた。
まさかこんなに年下の女の子に惹かれてしまうなんて・・・。
意識して自分を制した。しかし・・・。

第十三章 みうな

112 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2005/12/22(木) 16:58:48 0
常に物事を哲学的に考えてとってもロマンチストな彼女。普通の人が考えようにも思いつかないようなことを
突然言い出したりする不思議ちゃん。でもそんな彼女といつからか詩のやり取りをするようになった。
詩自体は良く分からないものなんだけど、でもコイツ面白いなって思ってた。そんな風に気がつくと、
どんどん彼女の魅力に引き込まれていった。


あれは今年の五月の大会の後だった。PK戦に立候補して見事決めてくれた彼女と試合前に実はある約束をしていた。
この大会に優勝したら二人でどっか出かけようって。これまでも何度か彼女に誘われてはいたものの、
どこか一歩踏み出すきっかけをつかめないでいた。。

「どうしても吉澤さんと一緒にいきたいところがあるんです。」
「えぇ、でもさあ。」
「分かりました。じゃあ今度の大会優勝したら一緒に行ってくれますか?」
「うーん、そうだなあ。」
そうこうしてるうちに彼女に押し切られてしまった。

121 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 17:22:59 0
>>112
書き忘れました13です
つづき

約束したからには果たさなければ。妙な義務感と彼女を知りたいと思う好奇心で
ちょっと複雑な思いを抱えたまま彼女と向かった先は図書館だった。

どうしてそんな風になったのか今考えても答えは見つからないが、あの時そう
どうしても彼女がみうなが欲しくなってしまったのだ。
古書の香りのする静かで冷たい書庫の中で私は彼女を抱いた。

こんなことをしたくて彼女は図書館に誘ったのだろうか。
恍惚とした表情を浮かべながら涙を流す彼女の姿を今でも忘れない。

第十六章 柴田あゆみ

105 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/22(木) 16:26:20 0
16

彼女のことは随分前から知っていた。それは同じハロープロジェクトの仲間として、また梨華の親友としてだった。
梨華の極端なマイナス思考やわがままにつきあうことは、ときにこの私にとってさえも大変な作業であるのに、
彼女はそれをもう5年もの間、さも当たり前かのように、こなしてきていたのだ。
そんなところからも、彼女の温厚な性格や人柄のよさ、内面の魅力は感じていた。
いや、それよりもなにより、その容姿のあまりの美しさ、外面の魅力に…いつしか私の心は、密かに魅かれ始めていたのだろう。

だが、彼女とどうこうなるということは、ありえることではなかった。
それは彼女が梨華の親友だったから。それはたった一つの理由であり、私たちの関係の全てを決定づけていた。

だから、私は今でも不思議に思うのだ、なぜあの日。
彼女が私に近づいてきたのか…梨華との全てを知りながら、なぜ。


思えば、ガッタスブリリャンチスH.P.の結成が、大きな要因であったのかもしれない。
このチームの結成を期に、私たちの関係は、それこそ目に見えるような形ではないにしろ、確実にその距離を縮めていった。
ある日のことだった、その日も私たちガッタスのメンバーはフットサルの練習のため、都内某スポーツクラブに集まっていた。
梨華は…仕事のため、来ていなかった。

練習後、私はキャプテンとして監督やコーチと作戦について話し合い、また雑誌の取材に追われたりしていたため、一人だけその帰りが遅くなったのだ。
もう皆帰り、誰もいないだろうと思い入ったロッカールームの中で。
…あゆみが…ただ一人、私を待っていた。

159 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/23(金) 01:57:12 0
>>105続き

どうして。どうしてまだここにいるのか、どうして私を待っていたのか。
それを、私は彼女に聞かなかった。
その目に浮かぶ決意を。もうすでに感じ取ってしまっていたから。

もちろん、彼女も何も言わなかった。
何かを口に出せば、それが同時に、大切な親友への裏切りになると。知っていたのだろう。

…そうまでして。
親友を裏切ってしまう恐怖と、良心の呵責との、二重の苦しみに耐えながら。
それでも私を求めてくれたことに、私は感動し、彼女に感謝したい気持ちでいっぱいだった。

そして。
…その感謝を。彼女が望む形で返そうと、そう思ったんだ。


160 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2005/12/23(金) 01:57:41 0

見ると、あゆみはまだジャージ姿のままだった。
激しい練習によって、その体のいたるところに汗をかいた状態だということは容易にわかった、
私もそうだったからだ。

…私は、あゆみを見つめ、言った。

「シャワー…浴びる?」
「………」

あゆみは何も言わずに頷き、私の後を黙って付いてきて、二人で同じシャワーブースの中に入った。

その瞬間だけ。
彼女は、梨華の親友ではなかった。
…ただの、あゆみだった。

彼女との関係は、あの一度だけだ。
まるで、夢の中の出来事のようだ、いや、もしかしたらそうだったのかもしれないと、時々私は思う。
その日を境に、彼女はそれまで以上に温厚で朗らかな、梨華の親友になっていったし。
…ただ。

今でもフットサルの練習後、切なそうにあのシャワーブースを見つめる彼女の視線だけが。
…真実を語っていた。

未完なのが惜しまれます。

[関連スレ]

石川梨華著 暴露本「愛の園」